倉庫工場 熱中症
暑さ対策

倉庫/工場においての熱中症の原因と対策

熱中症による命を落とす人が近年急増しており、ここ10年間で死者数は倍増しています。

年次別男女別熱中症死亡者数

その要因に高齢/一人世帯の増加、ヒートアイランド現象の影響、都市部への人口密集化など様々な理由が挙げられておりますが

私たちは年々酷暑化する環境においての熱中症対策を講じていかなければなりません。

この記事では倉庫や工場内における熱中症の事例を紹介し、原因と対策について詳しく説明します。

倉庫工場 熱中症

 

【目次】

 ・熱中症とは?

 ・倉庫内の熱中症事例

 ・工場内の熱中症事例

 ・熱中症のまとめ

 

熱中症とは?

そもそも熱中症とは何なのか?根本的な解決の為には、熱中症を引き起こす要因について正しく理解する必要があります。

熱中症は、体温が上がったり、体内の水分や塩分が不足することによって引き起こされる障害の総称をいいます。

その症状は下記の通り3段階に分けられます↓


Ⅰ度
軽症 その場の応急処置で対応可
・立ちくらみ
・筋肉痛、筋肉の硬直
・大量の発汗など
Ⅱ度 中等症 病院への搬送が必要
・頭痛、気分の不快
・吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感など
Ⅲ度 重症 入院、集中治療が必要
・意識障害、けいれん、手足の運動障害
・高体温(重度の日射病)

 

体温が上がるのは、高温多湿環境において体温調節ができなくなる為で、水分や塩分が不足するのは発汗によって失われていく場合がほとんどです。

また熱中症は大きく分けて日常生活の中で起こる”非労作性熱中症”と、運動や仕事などの活動中に起きる”労作性熱中症”とがありますが、

倉庫/工場内において起こる熱中症事例は間違いなく後者の方です。

それでは厚生労働省のサイトに掲載されています、実際に倉庫と工場で発生した熱中症事例をご紹介します。

 

倉庫内の熱中症事例

【発生状況】
被災者は、倉庫内でロールボックスパレットからコンベアに荷物を下ろす作業を、午前8時~11時まで行った。休憩後、休憩室から出ようとしたところ歩行不能となり、救急搬送されたが、熱中症による多臓器不全により死亡した。被災者は体調不良による休職から職場復帰したばかりだった。作業場は屋内で空調管理がされており、飲料水サーバーも作業場の近隣に設置されていた。

工場 熱中症イラスト

【原因】
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  体調不良による休職からの復帰直後であったことから、熱への順化が図られていなかったこと。
2  熱中症予防のための指標である暑さ指数(WBGT値)の測定を行っていなかったこと。
3  熱中症予防のための労働衛生教育が不十分であったこと。

【対策】
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  労働者の健康状態を把握し、熱への順化を図るための期間を設けるなど、就業上の措置を講ずること。
2  作業を行わせる場所の暑さ指数(WBGT値)をあらかじめ測定し、関係労働者にその結果を周知するとともに、その暑さ指数に応じた対策を実施すること。
3  熱中症予防のための労働衛生教育を徹底すること。

引用:厚生労働省 職場の安全サイト

こちらの現場は空調が利いていて、飲料サーバーも近くに設置されていました。にも関わらず起きてしまった事故でした。

ここで大切なのは暑さ指数(WBGT値)というワードです。

暑さ指数(WBGT)とは?Wet Bulb Globe Temperatureの事で、これは①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた数値になります。

この暑さ指数はもともとは熱中症予防を目的とし1954年に米国で提案された指標ですが、日本でも20年7月1日から環境庁から暑さ指数33を超えると”熱中症警戒アラート”を発動させるなど、近年注目されているものです。

つまりは熱中症予防には、気温だけではなく、湿度や日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境も考慮しなければならないという事です。

その点について、例えばHVLSファンでは-5℃を体感できるのはもちろん、湿度も-6%、そして室温を均一にする効果があるので熱中症対策の有効手段の一つと言えます。

 

工場内の熱中症事例

【発生状況】
この災害は、板バネ製造工程で焼き入れされた板バネを検査する作業中に発生したものである。
被災者は、焼き入れされた板バネの形状を検査し、不良品を取り除き、合格品を焼き戻し炉に並べて入れる作業を担当していた。
災害が発生した日、被災者は、午前8時30分から通常の検査の作業を始め、1時間ごとに10分程度の休憩を取りながら作業を行っていた。12時に昼の休憩に入り、食事をとりながら同僚に「足がだるい」と話していたが、午後1時に、通常の作業に就いた。午後2時に10分の休憩をとった後、30分ほど経過したとき、被災者が作業位置で倒れているのを同僚が見て、直ちに救急車により病院に搬送し治療を受けたが、3時間後に熱中症により死亡した。
災害が発生した日は、最高気温が35℃に達する猛暑であり、被災者の作業位置では40度を超える室温であった。

工場 熱中症イラスト

【原因】
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  気温が最高35度に達する真夏日であり、加熱炉付近で作業が行われており、作業位置の室温が40度を超える高温環境下での作業であったこと。
2  作業位置に直径15cmの温度が25℃の空気を吹き出すスポットクーラーが設けられていたが室温を緩和するほど有効に機能していなかったこと。
3  1時間ごとに休憩がとられていたが、冷房設備が設けられた休憩場所が確保されていなかったこと。
4  加熱炉から吹き出す熱風を防ぐ覆いが不十分であったため、作業位置に熱風が拡散していたこと。
5  作業中に、容易に水分および塩分を補給することのできる措置が講じられていなかったこと。

【対策】
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  作業場所ごとに設けるスポットクーラーは、直径を大きくし、風量を増すとともに、吹き出す空気の温度を24℃程度に下げ、吹き出し口はラッパ状にするなど吹き出す空気が拡散するようにすること。
2  作業場所には、作業中に容易に水分および塩分を補給することのできる物品を備え付けること。
3  作業場所と隔離された場所に、休憩時間に利用できる冷房装置が備え付けられた休憩設備を設けること。
4  作業場所に環境温度を評価する指標(WBGT)を把握するための環境温度計を設置し、作業中の環境温度の変化に対応した作業管理を行うこと。

引用:厚生労働省 職場の安全サイト

こちらの事例においても対策において暑さ指数(WBGT)について触れられております。

スポットクーラーが設置されていたものの室温を緩和するほど有効に機能していなかった、とありますが、この点においてもHVLSファンは有効な手段と言えます。

スポットクーラーと組み合わせて使う事により冷たい空気を拡散させ、空調効率を良くし、電気代節約にもなります。

 

倉庫/工場における熱中症予防のまとめ

上記の事例のように、空調を設置するだけでは十分な熱中症対策とは言えません。

大切なのは暑さ指数を意識するという事です。WBGT指数の計測器はネットなどで買い求める事ができます。

肌で感じている気温以外にも、周辺の温度や湿度に気を付けましょう。

下の表を見てわかる通り、仮に気温が30℃だったとしても湿度が80%であれば、そこは危険ゾーンと言えるのです↓

暑さ指数

 

それを踏まえた上でHVLSファンのように気温と湿度の両方を下げる方法は非常に有効な策と言えます。

熱中症対策の為にHVLS導入を検討されてはいかがでしょうか?

HVLSファンの詳しい効果についてはこちらをご参照下さい。

HVLS大型シーリングファンの効果【4つのメリット】

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